母からSOS
近所に住む母から電話がかかってきた。
「眼鏡を割っちゃったのよ!!新しいのが欲しいから眼鏡屋さんに連れて行って」
母を連れて母にはちょっと合わないかもと思いつつ、近所のモダンな眼鏡ショップへ。
行く途中、眼鏡を割った経緯を一から話してくれる。どうやら、椅子の上に置いてたのを忘れてお尻で踏みつぶしたらしい。
「でも、お父さんには、落として割れたことにしてあるから。合わせてね!」
(なして。隠す必要ある??)
ショップの店員さんが丁寧に対応してくれる。
「まずは、受付をさせていただきますね。こちらにお名前を。」
「眼鏡が割れて見えないのよ。書いてくれる?」(名前くらい書けるやろ。)
「それでは視力検査を。こちらにおでこをのせていただけますか?」
「いえ、私、一番安いのでいいんですよ。」(安さと視力検査は関係ないやろ。)
「今ご使用の眼鏡は遠近両用ですね。今回ご購入の眼鏡も遠近両用でよろしいですか?」
「どこで買ったんだったかしら。ここのお店じゃなかった?」(いや、絶対違うから。しかも会話、かみ合ってない。)
「じゃあ、ここからは、オプションになりますが、ブルーライトカットのレンズはいかがでしょうか?レンズの薄さは?曇り止めはどうされますか?」
「??????」(たぶん、オプションもブルーライトもわかりません。)
「何かご不明な点がございましたら」
母が私にこそっと言う。
「サングラスも欲しいのよ。二・三千円くらいで。」(何を色気づいてるんだ)
結局、サングラスも選ぶことになり、選んでいるうちに私も欲しくなり・・・
「ではお会計いたしますのでおかけになってお待ちください。」
待ってる間、店内を見てると、うちくらいの、母娘ペアが多い。
母くらいの年齢になると1人で眼鏡ショップはキツイよねえ。と思いつつ、
そこでようやく気付く。
もしや。
もしや。これは、母の日プレゼント!?
みんな、そうなの!?
母、あなたもそうなの!?
「ママコチャさま~」
「お会計はご一緒でよろしいですか?」
「あ~。。。。。。。。。。。。はい。」
「2本以上お買い上げですので10%割引きさせていただきまして32000円になります。」
「あ~。。。。。。。。。。。。。。」
「母が払います」(えへへへへ)